高金利の外貨や海外の国の金利面での特質を利用して稼ぐ


今から5年ほど前、中国の通貨人民元(RMB)の定期預金金利は1年物で年利3.5%、5年物で年利5.5%と非常に高い水準にあった。また当時は1ドル80円の円高で日本円の対人民元レートもRMB1=JPY12程度だった。その頃、多くの人が中国を訪れて長期の定期預金を組んで帰っていった。5年後の現在、満期を迎えた人たちは随時中国を訪れ、人民元定期預金投資をエグジットしている。

5年前にRMB100,000の定期預金を組めば5.5%X5年=27.5%の金利が付くことになる。だが彼らは日本円を人民元に両替して定期預金を組み、満期になった人民元を日本円に戻すのでそこに為替損益の要素が加わる。例えば2012年の今ごろ100万円を人民元に両替、定期を組んで27.5%の金利を獲得し、それを2017年10月現在のレート(RMB1=JPY17)で日本円に換算すると、100万円÷12円X1.275X17円=約180万円になる。5年で80万円の利益、単利の年利回りで16%の結果を叩き出したことになる。そこそこまとまった資金を預金していれば中国へ手続にゆく費用や手間を差し引いても大きな利益を獲得したことになる。

カンボジアで世界の基軸通貨である米ドル(USD)での定期預金金利がとても高いということで日本人の間でも人気を集めている。カンボジアの最大手銀行であるアクレダ銀行(Acleda Bank)では以下のように米ドル定期預金が1年物で5.00%、3年物で5.50%、5年物だと6.50%にもなる。(カンボジアでは非居住者に対して利息額に対して14%の税金が源泉徴収される)

https://www.acledabank.com.kh/kh/eng/ps_defixeddeposit

これでも一時期より利率は下落していて、3年ぐらい前は5年物で7.75%に達したこともあった。カンボジアには現地通貨リエルがあるがその信用は低く、経済は実質的に米ドルに依存し、人々もドルを信望している。経済発展中のカンボジアでは米ドルの資金需要が大きく、かなりの高金利で貸し出しをすることが可能なのだろう。

例えば10%貸し出せば預金者に5%の金利を支払っても5%の利ざやが取れる。しかし米国の中央銀行にあたるFRB(連邦準備制度理事会)が定めた政策金利は2017年10月の現在1.25%なのでこの預金金利はかなり高い。アメリカの金融機関が大量のドルを低利で調達して、カンボジアの銀行で定期預金を組めばそれだけで簡単に大きな利益を手にすることができる。そして資金が流入するほどに金利は下がってゆき結局は他の国の米ドル預金と同じような水準に落ち着くはずだ。

しかしそういう事態には至っていない。その背景にはカンボジアという国のカントリーリスクがある。ムーディーズの格付けによるとカンボジアはB2(投機的で高い信用リスク)というレベルにある。またカンボジアには預金保護制度(ペイオフ)がないので仮に銀行が破綻したら元本をすべて失ってしまう。そのリスクを取れないとアメリカの金融機関や投資家は判断しているのだろう。いずれにしても自分が預金している間に金融危機や銀行の破綻が起こらなければ高利回りの運用ができるのは確かな話だ。リスクを理解して取り組むのであれば良いと思う。

モンゴルの銀行での定期預金も高金利として有名である。モンゴル大手のハーン銀行(Khan Bank)の定期預金金利は以下の通り。

https://www.khanbank.com/en/personal/product/10

モンゴルの通貨であるトゥグルク(MNT)の定期預金金利は1年物で14.5%である。ハーン銀行では米ドルや人民元(RMB)での定期預金もあり、それぞれ1年物でUSDは5.4%、RMBは3.7%である。本拠地であるアメリカや中国での定期預金金利よりも高いのはカンボジアと同じく、国内での外貨需要が強いからだろう。ハーン銀行の大株主には日本の大手旅行代理店であるエイチ・アイ・エスを創業した澤田秀雄氏率いる澤田ホールディングスが名を連ねていることもあり日本人には身近な存在だ。

日本人でも現地へ赴いて口座を開設することができるのでハーン銀行の定期預金を利用している人は少なくないという。トゥグルクの高金利の原因は国内のインフレ率が高いからだ。放っておけば物価が上がる(通貨価値が下がる)ので人々は一刻でも早くモノを買ってしまおうとする。するとさらにインフレが進むので中央銀行はそれを抑える対策として国民にとって預金していた方が得になるところまで金利を高くするのだ。

モンゴルのインフレ率はここ3年ほど4〜5%に落ち着いているがそれ以前は年10%以上が当たり前だった。我々外国人にとって気になるのはインフレよりも為替である。年利が14.5%あっても為替が一年で10%下がるような通貨であれば実質金利は差し引き4.5%である。トゥグルクの対米ドル、対日本円レートは過去一年ほどは落ち着いているが5年、10年単位ではかなり下落している。モンゴルでは利息に10%の課税があり、さらに銀行の手数料等を引いてどれぐらい残るかを想定して取り組まなければならない。ちなみにモンゴルにはMNT2,000万(約90万円※1)の預金保護制度がある。

※1:2017年10月時点のレート:MNT1=約JPY0.045


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