詐欺に遭わないための手口の学び。ねずみ講とMLMとポンジ・スキームの違いとは?


「ネットワークビジネス?ああ、ねずみ講ね。。」「ねずみ講は英語でポンジ・スキームと言いますが。。」などと、勘違いしている人は意外に多い。「MLM(Multi Level Marketing)」はまた、ネットワークビジネスやマルチ商法とも呼ばれる。

後者のマルチ商法という呼び方には一般的にマイナスイメージが含まれるが、MLM自体は連鎖販売取引といって合法的な販売手法である。例えば、Aの取り扱っている商品やサービスを提携業者のBが自分の顧客Cに勧めて売上が立った時、AがBにお礼としていくばくかの利益をシェアする。コミッションとかキックバックとか紹介料と言われるもので商取引では当たり前に行なわれていることであり、何の違法性もない。これをシングルレベルマーケティングという。さらに今度はその商品を気に入ったCがさらに友人のDに紹介して売上が上がったとする。AはCにコミッションを支払うのと同時にCを紹介してくれたお礼としてBにも少し支払うことにした。これが初歩のマルチレベルマーケティングである。これに喜んだBはさらに多くのお客さんを探すと同時に彼らにその商品をセールスするように勧めた。セールスするとコミッションが入ってくるのでお客さんにとっても悪い話ではない。こうしてAもBもCもその他のお客さんもセールスすればするほど利益を得られる仕組みができあがる。これがマルチレベルマーケティングの完成形である。

MLMはテレビとか新聞とかに広告費を払う代わりに身近な人への口コミに広告費を支払っているといっても過言ではない。れっきとしたマーケティング手法の一種である。本当に良い商品をこのMLMに乗せて販売するのは問題ない。しかし時々コミッション欲しさに優れたマーケティングシステムであるMLMを利用して粗悪な商品を販売する輩も出てくる。そうした不良なMLMはすぐに終わる傾向にあるが粗悪な商品を掴まされ騙されたと考える”被害者”が出てくる。それがMLMがマルチ商法と揶揄される原因である。

「ねずみ講」は商品販売のないMLMと考えればよい。つまり現金だけをMLM方式で集める行為である。例えば「集めた金額の半分をもらえる権利」みたいなものをある人(親)から10,000円で買って、その権利を10,000万円で5人(子)に売り、受け取った50,000円のうち半分の25,000円を自分で取って残り半分を親に納める。その時点で差し引き15,000円の儲けが出る。自分が権利を売った5人(子)が更に5人(孫)ずつに権利を売って合計250,000円を集めるとその5人が合計で125,000円を取って、自分は子から受け取った125,000円のうち半分の62,500円を自分で取り、残りの半分を親に渡す。この時点で自分の手元には差し引き77,500円の利益が残る。さらに孫から権利を買ったひ孫の125人が、、という風に最初の5人にセールスした以外自分は何もしなくても勝手にどんどんお金が入ってくる仕組みができる。だがこれを親から自分、自分から子、子から孫、という風に12代繰り返すとメンバー数は計算上3億人を超えてしまう。人口1億2,000万人の日本には新たなメンバー候補がいなくなるのでそれ以下の層を作ることはできず一番下の階層の人は必ず10,000円の払い損になる。平たく言えば一番下の階層の人が支払ったお金を、それより上の階層の人たちで分けているだけの話である。これは無限連鎖講と言って日本の法律では禁じられている行為。「集めた金額の半分をもらえる権利」は商品とはみなされないのでお金だけを集めるねずみ講なのである。連鎖販売取引であるMLMは基本的に合法だが、ときにはねずみ講の認定を避けるためだけに支払う金額とまったくかけ離れた価値低い商品を渡すようなことがある。そんな悪質なMLM案件は実質的な無限連鎖講と判定を受けることもあるという。

「ポンジ・スキーム」はもっとシンプルである。「画期的なビジネスへの投資で100万円出資すれば月5%の配当がある。3年目以降はいつでも元本の償還が可能です」などという謳い文句で出資を募る。そして10人の出資者から1,000万円の資金を集めるとする。だがそこで運用はせずにその1,000万円の中から1ヶ月目に50万円を「配当」として戻す、2ヶ月目にまた50万円を「配当」として戻す、3ヶ月目には、、という風に続ける。そのまま続ければ20ヶ月目に全てなくなってしまうのだが、途中、例えば6ヶ月目に「事業が頓挫してしまった。。」などの理由で配当の支払いを止める。それまでに支払った配当の300万円を除いて手元に残った700万円をどこかに隠して破綻するのである。話を簡単にするために出資者が10人のまま変わらないことを前提に説明したが実際は途中でどんどん出資者が増えてくる。5%/月(年利回り60%)の投資は多くの人にとってとても魅力的であり、実際に配当が支払われているということが分かれば我も我もと出資者が集まってくるからだ。そうして2年が経ち、一部償還を希望した人にきちんと元本を返すという事例が出ればさらに信用度は増して加速度的に出資額は増える。中には出資を募る過程で出資者が新たな出資者を紹介したら紹介料を支払う方式を採用することもある。紹介者は自分自身が利用者で素晴らしいスキームと信じているので紹介にも熱が入り、(主催者にとっては)実に効率よく資金が集まる。この部分がしばしばねずみ講と混同される部分でもある。いずれにしても巧妙に仕組まれたポンジ・スキームはこうして数億、数十億円という被害に至ることもある。


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