香港法人。世界有数の利便性を備えたその機能(2)

非居住者の外国人でも現地を訪れることなくわずかな時間と費用で設立できる、

「香港法人」

通常、香港法人は中国語では”有限公司”、英語では”Limited”あるいは”Company Limited”と締めくくられる。

株主の有限責任によって運営される株式会社である。香港は全体的に税負担が軽く法人設立が簡単なこともあり、かつて税金対策用として盛んに設立されたBVIやセイシェルなどタックスヘイブンのオフショア法人と同類のようなイメージを持たれることも多いが香港法人はれっきとした事業を営むための法人である。

香港法人の法人税率は16.5%。世界各国の法人税率の中では比較的低めではあるが最低レベルというわけではない。だが税制面での簡潔さに大いなる優位性がある。日本であれば会社を運営していれば法人税以外にも事業税や法人住民税など別の税目があるが、香港の場合法人にかかる税金は法人税のみ。また認められる経費の範囲が広いというのも利点だ。少しでも業務にからむ交通費や接待交際費は自分自身これまで10年の決算や会計監査をおこなってきてまったくストレスを感じることなく計上できている。備品については一時期次々に発売されるアップル社のパソコンやスマホ、タブレットなどを立て続けに購入計上したときに会計事務所から一度だけ

「会社の人員に対してOA機器が多すぎやしないか?」

という指摘を受けたことがあるが、オフィスにいるときや外出時などで使い分ける云々必要な理由を簡単に説明したら認められた。この経費計上の幅の広さは個人的にはもっともメリットが大きなものであると感じている。

香港法人には「オフショア申請(Offshore Claim)」という制度がある。これは香港が絡まない取引で計上した利益(オフショア利益)に関しては免税になるという措置である。逆をいえば香港で法人税の納税義務が必ず発生するのは以下の条件に当てはまるケースである。

1.香港で事業をおこなっていること
2.事業の所得が香港での活動により発生していること
3.その所得の源泉が香港にあること

例えば商品を中国からアメリカへ輸出して利益を得るような事業を香港法人がおこなった場合、香港において納税義務が発生しないようにすることができる、ということになる。この適用を受けるには上記のオフショア申請を香港政府に受理してもらう必要がある。原則として香港その業務のオペレーションを香港でおこなっているか否かとか、あるいは海外での拠点の有無は関係ないが、各取引についてその所得の源泉がどこにあるかということをひとつひとつ明らかにする必要がある。所得の源泉が香港内と香港外にまたがっている場合はそれを分別して認定を受ける必要があるのでかなりそれなりに手間のかかる作業となる。オフショア申請をせずに普通に香港法人を通じた3国間取引をおこなえば当然法人税が発生する。あくまで個人的な意見になるが、海外在住の香港法人オーナーは仮にこのようなオフショア取引をおこなっていたとしてもオフショア申請はせずに法人税を納税した方が良い。申請にかかる様々な手間もそうだが、オフショアやタックスヘイブンに対する規制が強化されている昨今、自分が獲得したすべての所得に対して納税の事実を説明できるに越したことはないからだ。

香港法人を設立し、ビザを取得してオーナーが香港で勤務するにはどうしたら良いか。香港には「投資ビザ(Investment Visa)」というのがあり、通常はこれを申請することになる。これは原則として香港に貢献することのできるビジネスを運営する目的で起業するオーナーに対して発給されるものなので、ただ法人を作れば取得できるものではなく、その目的にかなう基準をクリアする必要がある。具体的にはきちんとした事業計画と売上・利益の見込みが必要であり、事務所を設置や香港人スタッフの雇用も必須だ。また投資ビザを取得するオーナーは犯罪歴や入国拒否などの履歴がなく一定の学歴や職務の関する技能や経験・実績があること、充分な個人資産があり事業をおこなう上で必要な相当額の資本を会社に入れていることなどが慎重に審査される。許可が下りれば最初は2年の投資ビザが取得できる、その後3年毎に更新されるが更新の際にはきちんと計画通りに事業が運営されているかどうかの審査がある。

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