日本に居ながら香港法人で起業する


所得税の最高税率は17%。キャピタルゲイン課税、配当、預金利息にかかる税金は無し。相続税、贈与税、消費税なども無し。土地が狭いからか不動産の固定資産税や車両登録税、酒・タバコなどにかかる物品税、競馬やサッカーくじなどにかかる賭博税は少々高い。要するに不動産や車を持たず、嗜好品やギャンブルをやらなければ香港人の基本的な税負担は非常に軽い。

日本の所得税の最高税率は国税と住民税を合計して55%なので香港の17%と比べると高額所得者の手取り額は30%以上も違ってくる。香港人のサラリーマンとしての給料は決して高い方ではないが、いざ独立して成功を納めれば加速度的に富を蓄積してゆく由縁はここにある。

「香港法人」も税制面で非常に大きな優位性を備えている。香港地域内のビジネスから得た収益についての法人税は16.5%。香港地域外(オフショア)でのビジネスから得た利益に対しては非課税だ。かつてはこのメリットを利用して多くの日本企業が子会社として香港法人を設立し、節税に勤しんだ時代があった。例えば中国で生産した製品を日本に輸入して販売するというオーソドックスな貿易をおこなっている会社が香港に法人を設立し、中国から香港へ輸出し、香港から日本に輸出するという形を採る。こうすることでもともと日本であげていた利益の大部分を移転し香港法人で計上すると法人税が節税できるのである。以前は合法的な節税であったがその後「移転価格税制」という制度が確立し、税率の低い地域への過度の利益の移転が禁じられることによりこの節税手法は大幅に制限されることになった。確かに本来日本で売上が立ち、法人税の対象であるはずだった利益額が減るというのは税務当局からすれば面白くないとことだろう。”だったら法人税率を下げれば良いのに。。”と思うのはビジネスをやっている側の感情だが国家は同じようには考えてくれない。と、これはあくまで日本の本社と子会社の香港法人といういわばグループ会社での所得移転を制限したという措置である。

実は香港でビジネスをおこなう低税率の利便性はいささかも損なわれていない。非居住者の外国人が株主・役員になって設立できる香港法人が先に挙げた条件を備えているのは今も昔も変わらないからだ。法人というのは人間(自然人)に対して作られた法的概念であり人間のように売買などの契約の主体になったり、物や土地に対して所有権などの権利を持つことができるもの。香港に会社を設立しそこで新しい事業を立ち上げる。それは香港人と同じ条件でビジネスができることを意味し、あくまで成功することが大前提ではあるがそれが叶えば法人には香港人と同様のペースで資金が蓄積されてゆく。仮に日本居住者がこれをおこなった場合、オーナーとして給与や配当を受け取ればその部分においては日本の税務署への確定申告が必要となる。香港法人のもうひとつの利点として経費計上の自由度が高いという側面がある。交通費(エアチケット、鉄道、タクシー)や備品、あるいは接待交際費などがかなり幅広く経費として認められ計上できる。法人銀行口座のATMカードを使って海外のATMから出金することもできるし、法人用のクレジットカードを発行してそれを経費の支払いに充てることも可能だ。

「では香港法人を使ってどんなビジネスを行うか?」というところだが、これも昨今のITテクノロジーの恩恵により個人が海外を相手に事業展開できる機会はどんどん増えている。中国のアリババから商品を仕入れてそれを米国のAmazonのFBAなどで販売するという輸出ビジネスなどは好例だろう。今や代行で中国から商品を仕入れ、検品して海外に輸送してくれるサービスなども充実しており、それらを上手に使えば自分は自宅や事務所でパソコンを通じて操作するだけで運営することも不可能ではない。サラリーマンをやりながら副業で香港法人を設立してビジネスすることもスタートアップとして日本に居ながら香港法人で起業することも充分に可能なのである。


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