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「株高」「外貨の高金利と日本円の低金利」「円安ドル高」

2023年7月現在、我々を取り巻く金融市場を3つのキーワードで表すとこうなるだろうか。日経平均株価はバブル崩壊前の最高値にじわじわと近づいており、ヨーロッパは最高値圏で推移、アメリカはコロナ後に記録した最高値を再び捉えようとしている。

2023年7月金融市場、3つのキーワード

米ドルの政策金利は現在5.25%、ポンドの金利は5.00%、ユーロの金利は4.00%。それに対して日本円の政策金利は-0.1%だ。1ドル140円台、1ユーロ155円台というのもここ10〜20数年お目にかかってこなかった水準である。

日本円が主な収入源である日本人にはなかなか外貨で運用する海外のプランに手が出しにくいタイミングかもしれない。しかしこういう環境だからこそ旨味が増している投資があるのも事実だ。

日本円もこれから円高方向に戻れば良いが、逆にこの水準で長期間留まったり、さらに円安方向に推移したりということだって考えられる。そんな時代に精査、検討したい商品を今回よりいくつか取り上げてみたい。

確定利回り付ポートフォリオプラン

まずプエルトリコ籍の「確定利回り付ポートフォリオプラン」という商品だ。

資金を一括払いで払込み、運用をすることで毎年決まった利率の利息を得る事ができるシンプルな商品である。運用期間は3年、5年、7年、10年から選択することができ、運用年数によって支給される金利が違う。運用年数が長くなれば毎年支給される利息も高くなってゆくのだ。

最近1年半ほどの米ドルの利上げの流れを受けて、現在の利率は以下のように非常に高くなっている。

3年プラン:3.25%
5年プラン:3.75%
7年プラン:4.00%
10年プラン:4.50%

米ドルの政策金利は現在5.25%となっているので、米国の銀行口座や米ドル口座で定期預金が組めるなら現時点ではその方が高い利率で運用できる。一方でこのプランは運用期間を通じて固定金利で支払われるというのが大きなメリットだ。つまりもし将来米ドルが利下げ局面に転換したとしたら、銀行の定期預金の利率は下がるが、この「確定利回り付ポートフォリオプラン」では満期まで当初の金利が適用されるということである。

またこのプランの場合、運用途中にもしものことがあった場合は予め指定しておいた受取人に払い出されるという保険機能も備えている。銀行定期預金や証券口座で運用していて同様のことが起こった場合は資金を取り戻すのに多大な費用と手間がかかることを考えるとその点でも大きなアドバンテージがあると言える。

2023年7月現在における確定利回り付ポートフォリオプランの捉え方

米ドル建てなので今は日本円を元手にこのプランを利用するのは忸怩たる思いがするかもしれない。現在の円安の主要な原因は5.35%にも拡大した米ドルと日本円の金利差だ。日本円を日常生活に必要とする日本人ならまだしも、そうではない外国人投資家にとって今は日本円をキープするよりは米ドルに両替して預金しておく方が合理的なわけでその類の行動の集積が現在の円安状態を形成している。

ということは、円安が解消されるときは米ドルの金利が下がるか日本円の金利が上がるか、もしくはその両方が進行していると考えられる。そのときはもちろんこのプランの金利も下がるか、そうでなくても上昇の見込める日本円資金を米ドル建てで運用する意義は薄れてしまう。こちらを取ればあちらは取ることができず、必ずどちらかを選ばなければならないということだ。

またそもそもそれはある意味日本円が再び上昇すると考えた場合のジレンマに過ぎない。

日本円の対米ドルレートは今後しばらく上昇することはなく、逆に1ドル150円、160円と円安が進み、それが普通になる可能性だってもちろん考えられる。そうなると予測しているのならこのプランは「買い」と言えるだろう。

あるいは今自分が仮に外貨を保有していてそれを運用していない場合、極めて低いリスクで高い固定金利を獲得できるこのプランは間違いなく「買い」であると言える。
 

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