米国株式指数であるS&P500の2021年8月12日の終値は4,460.83。史上最高値を更新した。

2019年年末のS&P500の水準は3,234.85、2020年年末は3,756.07なので2020年年間を通して約16%上昇した。そして2021年の8ヶ月間で昨年の上昇率を超えて約19%上昇したことになる。

S&P500とは?

アメリカにはいくつかある株式市場のうち、代表的なのがニューヨーク証券取引所(NYSE)とナスダック(NASDAQ)世界最大の時価総額を誇るニューヨーク証券取引所にはコカコーラ、ゼネラルモーターズやゴールドマン・サックスと言った伝統的な会社がメインであり、ナスダックにはGAFAやインテルなどハイテクやインターネットなどを基盤とした比較的新しい産業を担う会社が数多く上場している。歴史的にはジャイアントであるニューヨーク証券取引所を新興のナスダックが猛然と追い上げ肉薄してきているという構図だ。

ニューヨーク証券取引所にはダウ平均株価、ナスダックにはナスダック指数という指数がありどちらも重要な指数ではあるのだが、今やアメリカの主要企業は両方の市場に分かれている状態なのでどちらもアメリカの株式市場の現状を把握するには不十分な感が否めない。その点で上場株式市場に関係なく、アメリカの今を代表する企業約500社を選んで算出しているS&P500は米国の産業全体の評価をするには最も適している指標だと言っても過言ではないだろう。

S&P500の構成銘柄

S&P500の構成銘柄上位10社は組入比率の順に以下の通りである。

1.アップル:5.96%
2.マイクロソフト:5.54%
3.アマゾン:4.10%
4.フェイスブック:2.08%
5.アルファベット class A:1.93%
6.アルファベット class C:1.87%
7.テスラ:1.60%
8.バークシャーハサウェイ:1.46%
9.JPモルガン:1.32%
10.ジョンソン&ジョンソン:1.20%

この内上位7位迄がナスダック上場企業であり、8〜10位はニューヨーク証券取引所上場企業。株式市場全体としてはまだニューヨーク証券取引所の規模の方が大きいが、個別の企業の時価総額はナスダック上場企業に上位を占められているのがよくわかる。これだけでも指数としては頼りになるし、逆にどちらかの企業群が入っていないダウ指数やナスダック指数は心もとない。

米国株式市場全体に投資する

一方でS&P500に投資をするということは現在のアメリカを牽引する優良企業にまんべんなく投資することであると言える。今をときめくGAFAやマイクロソフト、テスラなどの個別株をすべて買おうとすればかなりまとまった資金を用意しなければならないがS&P500インデックスに連動したファンドに投資することにより、それらの企業に投資した効果も享受できることになる。こうした点でS&P500は多くの投資家に注目されている指数であるから大手の銀行や投資関連の会社で予想値を算出しており、S&P500の年末の値をスイスの大手銀行であるUBSは4,500、ゴールドマン・サックスは4,700と予測している。

もちろん楽観的な予測だけではなくバンク・オブ・アメリカ・メリルリンチのように3,800と予測しているところもある。現在値よりも700近く低い予想値である。これは今FRB(米連邦準備理事会)で盛んに議論されているテーパリング(量的緩和)を見込んでのことだろう。量的緩和の終了は金利の上昇や株価の下落などを招く可能性が高い。

世界最大の経済力を誇るアメリカの主要株式にまんべんなく投資ができるS&P500だがもちろん大きく上昇することもあればその逆もありうる。そのS&P500の保有を比較的安全に増やしてゆける方法のひとつの答えが毎月少しずつ購入するドルコスト平均法を基盤とした元本確保型積立商品も存在する。

【お問い合わせ】
https://ws.formzu.net/fgen/S19274410/

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