ASEAN経済統合で大幅に価格上昇をするかもしれない土地に投資する


「南部経済回廊(South Economic Corridor)」

ベトナムの経済の中心ホーチミン、カンボジアの首都プノンペン、タイの首都バンコク、ミャンマーの港湾都市ダウェーを結ぶ横断道路である。かつてはそれぞれの国が戦争、内戦を抱え、伝統的な王国、社会主義国、強権的な軍事政権国とさまざまな政治体制の下でいわばバラバラだったインドシナの諸国が一つの道路で経済的に結ばれるという壮大な試み。

ASEAN加盟10カ国で1つの共同体を作り、将来的に域内の関税を撤廃し、ヒト・モノ・カネの移動を自由にして共に経済成長を目指すという「ASEAN経済共同体(AEC)」の事業の一環である。

同様のコンセプトのもとで建設されているものにベトナムのダナンからラオス、タイ、ミャンマーへ通じる「東西経済回廊(East-West Economic Corridor)」と中国の昆明とタイのバンコクを結ぶ「南北経済回廊(Kunming-Bangkok Expressway)」があるが、経由する都市の政治力・経済力を考慮すると南部経済回廊は将来の地域の経済に最も大きなインパクトを与えるはずだ。南部経済回廊の建設は現在ホーチミンからバンコクの西、ミャンマーと国境を接するカンチャナブリー県まで進んでいる。開通まで残り2割程度であり、あと3年ほどで全面開通の見込みである。人口825万人、タイの人口の12%以上が暮らしているバンコクでは1997年の通貨危機以来不動産が高騰の一途を辿っている。バンコク中心部の高層マンションの取引価格は約USD5,000/m2。東京都心部の平均平米単価が約90万円なのでその3分の2程度のところまで来ていることになる。

Saigon Aerial Night Skyline

一人あたりのGDP比較では日本が約USD35,000なのに対し、タイはUSD5,000程度なので所得に対する住宅価格の高さは目をみはるものがある。一方で東南アジアでは生活水準の高い工業国であるタイはASEAN統合により、将来的に周辺国からも多くの労働者を呼び込むことになるだろう。流入人口は増えるのでこの地域の不動産の上昇トレンドは今後も続くと見込むのが自然だ。そのバンコクから2時間ほど西に移動したカンチャナブリーは国立公園や温泉、アメリカ映画「戦場にかける橋」で有名なクウェー川にかか泰緬鉄道の鉄橋など観光資源が豊富でバンコク市民が近距離の旅行を楽しむ憩いの場所である。

一方で本来は首都バンコクから車で2時間ほどと比較的近い位置にありながら、かつては軍事政権下で交流がほぼ閉ざされていたミャンマーとの間に挟まれて辺境地域という位置づけでもあった。そんなこともありカンチャナブリ一帯の土地はバンコクと較べるとかなり安い状態に留め置かれていた。ここにインドシナ半島の各主要都市を通過する横断道路の建設が進んでいる。これにともないカンチャナブリーはタイ政府による経済特区の指定も受けており日系企業も進出する民間の工業団地の建設も進んでいる。日本の高度経済成長期列島改造バブルがあり東京や横浜という都市の土地でも3年程度の間に約2倍に値上がりし、もともと地価の安かった開発地区近辺の山林田畑はその数倍に及んだことがあった。もし自分がその時代に投資家として存在していたとしたら迷うことなく土地を購入すれば良い、という時代である。

今それと似たようなことが太平洋側とインド洋側をつなぐ将来のインドシナの大動脈の付近で起こっている。カンチャナブリーでは連日の土地の取引が活発に行われており不動産登記所では朝早く赴いても手続きができるのが夕方になるほど人々が列をなしているという。現在ほとんどが農地として利用されている土地は場所によって年間20~100%の値上がりをしているという。土地の価格はロケーションにもよるがTHB250~600/m2(※JPY850~2,040/m2)程度であるようだ。※2018年2月時点

将来数十倍になる以前の価格であるというイメージは十分に可能なレベルだ。この土地は南部経済回廊の開通にともない、将来事業用地や住宅用地などさまざまな用途に活用されることになるだろう。外国人がタイの土地に投資をするには現地の資本を51%以上組み入れた法人を設立してから法人名義で購入することになる。自分の資本が半分以下になることで現地側とのトラブルになる懸念を払拭するために自分の名義を49%入れた法人を2社設立して資本に組み入れることでマジョリティを確保することもできる。カンチャナブリ不動産の販売をおこなっている日本人経営の不動産業者も現地にあり、2,000万円~2億円程度の単位の土地を扱っている。


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