香港の金融機関を通じて株式の取引をするには銀行の投資口座と利用する方法と証券会社を利用する方法がある。日本人にとってポピュラーなのはHSBC香港の投資口座とBOOM証券だろう。

「HSBC香港投資口座」では香港株式、米国株式の取引をすることができる他、債券やファンド(投資信託)を買うこともできる。

「BOOM証券」は株式取引専業の証券会社だが、香港、アメリカ、オーストラリア、上海B株、深センB株、インドネシア、日本、韓国、マレーシア、フィリピン、シンガポール、台湾、タイ12カ国13の市場の株式の取引がひとつの口座でおこなえるという特長がある。

HSBC香港投資口座とBOOM証券の取引手数料比較

HSBC香港投資口座とBOOM証券での香港株式と米国株式の取引にかかる手数料を比較してみると以下の通りだ。BOOM証券とHSBC香港投資口座ともにオンライン(※1)で取引した場合の手数料である。(※1:電話で取引をする場合は別の手数料体系がある)

1.香港株式を取引する場合

【BOOM証券の香港株式取引手数料】

取引手数料:約定代金の0.18%
取引1回あたりの最低手数料:香港ドル:HKD88、人民元:RMB88、米ドル:USD12

口座管理手数料(※2):HKD200(約USD26)/年 (※2:口座管理手数料は全ての市場に適用。香港株式のみを取引した場合あるいはHKD10,000以上をデポジットしたまま取引をしなかった場合口座管理手数料は無料になる)

【HSBC香港投資口座の香港株式取引手数料】

取引手数料:香港ドルと人民元は約定代金の0.25%
取引1回あたりの最低手数料:香港ドル:HKD100、人民元:RMB100

年間サービス料(※3):HKD200(約USD26)/年 (※3:この口座管理手数料は香港市場にのみ適用されアメリカ株式の口座管理手数料は別途かかる。香港株式を取引した場合は無料になる)

2.アメリカ株式を取引する場合

【BOOM証券の米国株式取引手数料】

取引手数料:5000株までの取引手数料がUSD20、5001株以上はUSD20+USD0.01/株

年間サービス料:HK$200(約USD26)/年

【HSBC香港投資口座の米国株式取引手数料】

取引手数料:1000株までUSD18、1001株以上はUSD18+USD0.015/株

年間サービス料(※4):USD5/月(USD60/年) (※4:アメリカ株式及び香港株式の口座管理手数料は別途かかる)

香港株式の取引においてはBOOM証券の方が手数料が明らかに低い。米国株取引の場合、取引株数が1,133株までであればHSBCが若干安く、それ以上になると取引株数が増えるほどにBOOM証券の手数料の方が割安度が増してくる。 株式の取引回数や量が多い場合は、別途、BOOM証券等外部の証券会社に口座を持つ方が得策ということになる。

手数料面ではBOOM証券が有利であるが、HSBC投資口座を使えば預金と投資を一元的に管理できるので便利である。また投資口座を通じて株式に投資された資金は現在価値に換算して最低預金額にカウントされるので、人によっては株式取引をHSBC香港投資口座内にとどめておくことにより口座グレードの維持に役立つかも知れない。

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