2020年5月12日にビットコインの3度目の半減期が来てから4ヶ月が過ぎた。今回の半減期により取引の記録であるブロックを生成する作業(=マイニング)に対する報酬は12.5ビットコインから6.25ビットコインになった。

この報酬を受け取っているのはマイニング事業を行っているマイナーである。半減期を経ることで作業当たりで受け取れるビットコインの量は半分になったが、これまでのビットコインは半減期を迎える一方で一枚あたりの価格が大きく上昇してきた歴史がある。

ビットコインマイニングと半減期

最初の半減期で報酬が50ビットコインから25ビットコインになった2012年11月28日、BTC1=USD12ぐらいだったので半減期直前直後でUSD600だった報酬は一旦USD300になった。しかし2回目の半減期を迎えた2016年7月9日頃のビットコインは約BTC1=650だったので報酬額USD16,250に達したのである。この半減期で報酬は25ビットコインから12.5ビットコインとなり一旦はUSD8,125ぐらいに下がった。ところが約BTC1=USD8,500だった今年5月の半減期直前にはUSD106,250になっていたことになる。

つまりこれまではマイニング報酬が半減してもそれを上回る勢いでビットコインの価値が上昇してマイナーは大きな利益を獲得することができたということになる。ビットコインがまだメジャーでなく、牧歌的だった時代は個人が自宅のパソコンを使ってマイニングをおこなうことできたが今や演算速度の面から専用機を使わなければマイニングができない状態となっている。もちろんマイナーはすべて専用機を使ってマイニングをおこなっている。

ビットコインの現在価値

そして個人投資家は専用機を購入してその運営をマイナーに委託することによりマイニング事業に参画することができる。さて2020年5月に半減期を迎えたビットコインの現在価格はどうなっているか?

基本的には上昇基調にある。6月はBTC1=USD9,000台で推移し、7月の末頃から急速に上昇して8月中旬にはUSD12,000を超えたあと一旦調整が入り直近ではだいたいBTC1=USD10,000ぐらいの水準にある。では、現在マイニング事業の採算はどうなっているのか?

これも試算が可能である。以下はロシアのシベリアにおいて現時点で最新のマイニング専用機を運用したケースでの試算だ。マイニングの効率は専用機の世代や性能によっても大きく変わってくるが、今マイニング事業に投資家として参入するのであれば現時点での最近の専用機を買って取り組むことになる。

ビットコインマイニングの採算

2020年9月上旬時点で最新のマイニング専用機であるMicro BT社の「Whatsminer M30S (90TH)」を使用して24時間稼働でマイニングを行った場合、一台あたり約BTC0.00086110/日のビットコインが採掘可能。このペースで年間換算すると一台あたり年間BTC0.3143/年のビットコインが獲得できることになる。仮にこれが直近の高値であるBTC1=USD12,000で換金できるとした場合、収益はUSD3,771.60だ。

一方で運用コストとして電気代でホスティング費用がかかる。マイニング事業の運営には大きな電力消費が伴うためだ。「Whatsminer M30S (90TH)」を1時間稼働させた場合約3,268wの電力を消費する。したがって年間「3,268w X 24時間 X 365日 = 28,628kWh」の電力を使用することになる。

この試算のベースとなっているシベリアは水力発電などが強力な一方周辺での電力消費量が低いので電力が非常に安く調達でき、電気代とホスティング費用の合計でだいたいUSD0.1/kWhである。なので年間の電気代は「28,628kWh X USD0.1 = USD2,863」すなわち、年間のビットコイン収入「USD3,771.6-USD2,863=USD908.6」が年間の粗利となる。

もちろんビットコインの価格がUSD12,000を超えて上昇してゆけば電気代は同じまま収益率が改善してゆく。一方で機会を輸入する際の関税や減価償却費などの費用を除いた純利益で最終的にいくら手元に残るのか、どのぐらいの利回りが出るのかということについてわかるオンラインセミナーが「仮想通貨&マイニングオンラインセミナー」である。

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