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ユニバーサル保険とは
ユニバーサル保険(Universal Life=UL)は定期保険(一定期間のみ保障。いわゆる掛け捨ての保険)、終身保険(途中解約しなければ一生涯保障が続く保険)という従来型の保険に対する新しいコンセプトの保険として1979年にはじめて世に送り出された。
ユニバーサル保険が出現する前の従来型の保険は加入時に死亡保障学(保険金額)を決定し、年齢・性別・生活習慣や健康状態によって算出した固定の保険料を支払ってゆくというものだ。当時の終身保険の方にはある程度の貯蓄機能があったものの、その運用利率は固定されていたうえに低かった。
1970年代後半のアメリカは高金利でもあったので、より柔軟で貯蓄機能を強化した保険のニーズが高まり、ユニバーサル保険が誕生した。
ユニバーサル保険の特徴としては以下がある。
・保険料の増減・一時停止が可能(従来型保険は固定及び一時停止不可)
・死亡保険金の増減が可能(従来型保険は原則固定)
・ミドルリスク・ミドルリターン(従来型終身保険はローリスク・ローリターン)
・手数料の透明性は高い(従来型保険は透明性なし)
・手数料は複雑で高め(従来型保険は単純で低め)
・契約後の設計変更が可能(従来型保険は契約後の設計変更不可)
例えば、人生において景気によって収入が増減することもある、そんなとき支払う保険料が柔軟に変えられると便利なのは想像に難くない。また、子どもが小さなときは比較的に大きな保険金が必要だが、独立したあとはその必要もなくなる。そのときには死亡保障よりも運用の方にお金を回したいものだ。そんなライフステージによる環境の変化に合わせた資金活用の調整が一本の保険で行える。それがユニバーサル保険の大きなメリットである。
ユニバーサル保険の進化
誕生したばかりのユニバーサル保険はその柔軟性の高さで画期的であったが、運用は保険会社が定めた利率運用であり、パフォーマンス面での魅力は限定的だった。1980年代前半の投資志向の高まりとともに、契約者が保有資産を株式や債券型のファンドなど複数の投資先に自由に分配して運用ができる「バリュアブル・ユニバーサル保険(Valuable Universal Life=VUL)」が開発された。VULの登場によってユニーバーサル保険運用のパフォーマンスは大幅に改善したが、一方でこの商品には元本保証がなかったために損失の出るプランもあった。要するに通常のファンド投資に死亡保障が付いているようなハイリスク・ハイリターンの側面を持った商品だったといえる。
VULのリスクは高すぎると感じる契約者に向けて、1993年に登場したのが「インデックス・ユニバーサル保険(Index Universal Life=IUL)」である。
この商品はVULでの投資連動対象だった株式や債券ファンドの代わりにS&P500など株式指数(インデックス)のパフォーマンスに連動させた商品だが、その最も大きな進化は仮に一年のパフォーマンスがマイナスだった場合でもそのマイナス分は保険会社で補填して0%利回りを最低限保証するというものだ。つまり最低でも前年の元本のレベルは確保するということであり、IULの用語ではこれを「フロア」と呼ぶ。一方でプラスのパフォーマンスには「キャップ」という上限があって、その年のインデックスのパフォーマンスがどんなに高くてもその上限が最高となり、そこから上の収益は還元されないという特徴がある。
これは運用する側の立場に立ってみれば理解しやすい。「一定以上上振れした利益を確保させてもらう代わりにどんなに悪くても損失の補填をする」ということだ。元本を確保しつつインデックス連動の利回りを狙える商品として、IULは安全性と収益性のバランスを高度に実現した商品ということが言え、特に米国で非常に人気の高い商品となっている。
グローバルアセットIUL(Global Asset IUL)
「グローバルアセットIUL(Global Asset IUL)」は1911年にアメリカ合衆国に設立され、22の中南米諸国で展開しているパン・アメリカン・ライフのインデックス・ユニバーサル保険である。グローバルアセットIULはまずインデックスに連動するインデックスアカウントと保険会社が定める利率で運用される確定利率アカウントの2つの運用アカウントがあり、そのどちらかを選択できる。
インデックスアカウントを選択すると次に連動するインデックスとして用意されているアメリカのS&P 500とヨーロッパのEuro Stoxx 50の内、どちらかを選択して資金を運用することになる。もちろんフロアが設定されているのである年度におけるインデックスの成績がどんなに悪くても0%は確保される。上限利率のキャップはS&P500で9%、Euro Stoxx 50では9.5%に設定されている。確定利率アカウントの方の固定金利は最低2%であり、政策金利の状況により上乗せされる形だ。
2025年5月時点での固定金利利率は3.5%である。これで運用することを選ぶと、従来型のユニバーサル保険で運用するのと同じことになる。もちろんライフスタイルの変化に従い、時期によって死亡保障を大きく確保したり、逆に運用部分を強化したりという調整も可能である。
「グローバルアセットIUL(Global Asset IUL)」の特徴
商品タイプ | インデックスユニバーサル保険 |
運用アカウント | インデックスアカウント:S&P500、Euro Stoxx 50から選択 固定金利アカウント |
契約期間 | 被保険者が121歳まで※特約により延長可能 |
被保険者の年齢(加入時) | 18~80歳 |
支払い | 半年払い、月払い |
途中引き出し・出金 | 可 |
ローン借入れ | 可 |
保険料の支払い方法 | ・銀行送金 ・クレジットカード |
ボーナス | キャッシュクーポン+利息、リバーショナリーボーナス、ターミナルボーナス |
居住地による申込制限 | あり |
死亡保障 | 最低のUSD500,000の保障額より申し込み可能、USD10,000,000までは自動的に引き受け可能。最高額の設定はないがUSD1,000万ドル以上の保障の契約を希望する場合は再保険会社からの承認が必要 |
商品の特徴 | ・S&P 500やEuro Stoxx 50など複数の株価指数に連動し、インデックスのパフォーマンスに応じた利回りを提供 ・市場が下落してもキャッシュバリューが減らない仕組みで、リスクを抑えた運用が可能 ・インデックス連動以外にも年率約3.75%(2025年5月時点)の固定利率による安定運用も選択可能 ・保険料支払いを継続すれば、被保険者が亡くなるまで一生涯保障が継続される ・保険料・保障額・運用方法(インデックス/固定)などをライフステージに応じてカスタマイズ可能 ・多くの米系保険が米国居住者限定なのに対し、米国外の人でも契約可能な数少ないIUL商品 ・米ドル建て資産として資産形成・資産移転に適している |
パン・アメリカン・ライフとは?
パン・アメリカン・ライフ(Pan-American Life Insurance Group:PALIG)は、1911年に設立された米国ルイジアナ州ニューオーリンズ本社の老舗生命保険会社です。米国を含む中南米およびカリブ諸国を中心に22か国以上で事業を展開し、特にラテンアメリカ市場で高い知名度と信頼を誇ります。個人・法人向けに生命保険や医療保険、資産形成型の商品を提供しており、米ドル建ての保険や外国人向け契約にも柔軟に対応する点が大きな特徴です
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