Sorry, this entry is only available in Japanese. For the sake of viewer convenience, the content is shown below in the alternative language. You may click the link to switch the active language.


 
不動産経済研究所が2022年4月に発表した2021年度の首都圏(1都3県)の新築マンション1戸当たりの平均価格は前年度比6.1%上昇の6260万円となった。1平方メートルあたりの単価は93.6万円だと言う。

2021年度の首都圏の新築マンション価格

1990年度に記録した新築マンションの平均価格は6214万円。現在の首都圏のマンション価格は30年以上前のバブル時代のそれを凌駕して過去最高水準を記録している。一方で首都圏の住宅地価公示価格、すなわち土地の価格は約25万円/㎡。1990年頃には40万円/㎡ぐらいだったのでこちらは当時にはまだ遠く及ばない。土地価格はバブル崩壊後右肩下がりで下落し続け、2005年頃に約20万円/㎡の安値をつけ、そこから少し持ち直して2008年頃には一旦25万円/㎡に戻すもリーマンショック・世界金融危機により再び底値水準に下落、アベノミクスや黒田日銀総裁の大規模緩和策がはじまった2013年から再び上昇して、今ようやくリーマンショック前の水準にまで戻った形だ。

2021年度の首都圏の新築マンション価格

首都圏の中古戸建ての価格は2021年時点で約3,700万円(平米単価約34万円)である。やはりバブル崩壊直後の1992年の約4,800万円(平米単価は約53万円)から下がり続け2013年には約3,000万円(平米単価約28万円)という水準にまで下落したが、そこから上昇に転じ今日の水準にある。首都圏の中古マンションの価格は2021年時点で約3,800万円(平米単価約60万円)だ。1992年の価格は約3,750万円(平米単価約60万円)なので、新築マンション同様こちらもバブル期の価格を更新する状態になっている。ちなみに中古マンションの価格は2001年の約2,200万円(平米単価約30万円)が底値なので土地や戸建てとは少し様相が異なっている。ここに来て中古マンションの価格が中古戸建ての価格を上回ったというのも特筆すべき現象だろう。

マンション価格の世界比較

さてこの高騰を続けている東京首都圏の物件価格は世界の各都市と比べてどうなのだろうか?日本不動産研究所が発表している国際不動産価格賃料指数というデータに「マンション/高級住宅(ハイエンドクラス)の価格水準比較」というものがある。どの国でも大体同じ水準である一等地に建つ最高級のマンションというスペックで比較したものだ。

世界各都市のハイエンドマンション価格

東京都港区元麻布のマンション価格を100とすると、他の主要都市の数値は高い方から順に以下のようになる。

香港:211.6
ロンドン:181.4
台北:138.4
上海:133.7
北京:109.2
シンガポール:103.7
ニューヨーク:100.7
東京:100.0
ソウル:76.2
大阪:56.5
バンコク:25.9
クアラルンプール:23.5
ジャカルタ:19.9
ホーチミン:11.4

マンション価格では東京はだいたいニューヨークと同水準だ。例えば2021年の中古マンションの平均平米単価60万円に当てはめて推算すると上記の中で一番高い香港の中古マンションの平米単価は126.6万円となる。ロンドンで108.6万円、台北で79.8万円、上海で80万円というところ。大阪は33.6万円、バンコクは15.54万円、ホーチミンは6.84万円だ。中華圏の物件価格の高さが目立つ、そして10年ほど前から海外不動産投資の人気の地であるロンドンもかなりの高水準に達している。一方で東南アジアは大都市でも住宅価格面ではとても暮らしやすそうだ。

世界各都市の賃料水準

一方で同じく東京を100とした賃貸料水準の比較では以下の通り。

ロンドン:222.2
ニューヨーク:191.5
香港:156.6
シンガポール:113.2
東京:100.0
大阪:78.8
上海:72.5
北京:67.2
台北:63.0
ソウル:49.9
ジャカルタ:45.8
バンコク:38.0
クアラルンプール:28.9
ホーチミン:20.4

世界各都市のマンション価格値ごろ感

ざっくりとこの数値と先述のマンション価格の数値の差が大きければ物件価格の割には家賃が高い、すなわち利回りが高いということになるのだろうか。少なくとも不動産価格が割安ということは言えるだろう。

単純にマンション価格指数を賃貸価格の指数で除した結果のランキングは以下の通りである。

1.ジャカルタ
2.ニューヨーク
3.ホーチミン
4.バンコク
5.大阪
6.クアラルンプール
7.ロンドン
8.シンガポール
9.香港
10.ソウル
11.北京
12.上海
13.台北

東南アジアはやはり割安、中華圏は割高というのが明らかなようだ。ニューヨークがかなり割安という結果は異彩を放っている。

0
2011年の発行開始以来毎週配信されているBorderless Group代表玉利将彦のメールマガジン

メール講座【国境なき投資戦略】

* 入力必須