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日本の居住者は原則として日本国内でなく海外を含めたすべての所得に対して日本に納税する必要がある。日本で受け取った給与あるいは事業所得だけでなく、海外投資で得た利益分も確定申告して日本の税務署に税金を納めなければならない。日本は属地主義税制を採る国なので海外に移住して日本の非居住者になれば居住国に納税することになり、日本国への納税義務はなくなる。

日本の所得税

日本の個人所得税は累進課税で最高税率は55%(国税45%+地方税10%)にも上り、収入の多い人には非常に重くなっている。最近ではトレーディングやインターネットビジネスなど比較的どこででもできる身軽なビジネスで多くの収入を得ている人の中にはシンガポールなど税率の低い国に移住してそこで活動をする人も増えている。経済合理的に正しい行動であると言えるし、それ自体は合法的なものである。しかし特に日本国内で成功を納めてから海外移住する人の場合、税金面で注意しなければならないこともある。それが国内源泉所得に対する課税である。

国内源泉所得とは?

国内源泉所得とはそれが生じた場所や原因が日本国内にある所得のことだ。どういう所得が国内源泉所得にあたるかという具体的な内容は所得税法161条にて以下のように規定されている。

【国内源泉所得】
(1) 恒久的施設帰属所得、国内にある資産の運用又は保有により生ずる所得、国内にある資産の譲渡により生ずる所得
(2) 組合契約等に基づいて恒久的施設を通じて行う事業から生ずる利益で、その組合契約に基づいて配分を受けるもののうち一定のもの
(3) 国内にある土地、土地の上に存する権利、建物及び建物の附属設備又は構築物の譲渡による対価
(4) 国内で行う人的役務の提供を事業とする者の、その人的役務の提供に係る対価
例えば、映画俳優、音楽家等の芸能人、職業運動家、弁護士、公認会計士等の自由職業者又は科学技術、経営管理等の専門的知識や技能を持つ人の役務を提供したことによる対価がこれに当たります。
(5) 国内にある不動産や不動産の上に存する権利等の貸付けにより受け取る対価
(6) 日本の国債、地方債、内国法人の発行した社債の利子、外国法人が発行する債券の利子のうち恒久的施設を通じて行う事業に係るもの、国内の営業所に預けられた預貯金の利子等
(7) 内国法人から受ける剰余金の配当、利益の配当、剰余金の分配等
(8) 国内で業務を行う者に貸し付けた貸付金の利子で国内業務に係るもの
(9) 国内で業務を行う者から受ける工業所有権等の使用料、又はその譲渡の対価、著作権の使用料又はその譲渡の対価、機械装置等の使用料で国内業務に係るもの
(10) 給与、賞与、人的役務の提供に対する報酬のうち国内において行う勤務、人的役務の提供に基因するもの、公的年金、退職手当等のうち居住者期間に行った勤務等に基因するもの
(11) 国内で行う事業の広告宣伝のための賞金品
(12) 国内にある営業所等を通じて締結した保険契約等に基づく年金等
(13) 国内にある営業所等が受け入れた定期積金の給付補てん金等
(14) 国内において事業を行う者に対する出資につき、匿名組合契約等に基づく利益の分配
(15) その他の国内源泉所得(例えば、国内において行う業務又は国内にある資産に関し受ける保険金、補償金又は損害賠償金に係る所得がこれに当たります)

[出典:国税庁]

国内源泉所得の支払方法

日本国内で保有している株式、債券からの配当や銀行預金の利子から不動産の賃貸収入、国内で役員になっている会社からの役員報酬、日本で講演などをおこなった際に受け取る報酬などが国内源泉所得となるのである。では海外に住んでいる日本の非居住者がどのようにして国内源泉所得に対する所得税を支払うのか?

例えば日本に不動産を保有していて、それを賃貸に出して収入を得ている場合「(5) 国内にある不動産や不動産の上に存する権利等の貸付けにより受け取る対価」にあたるので日本で納税義務が発生する。日本非居住者が大家さんで賃貸収入を得ている場合は居住者と同様に確定申告をする必要がある。都度必ずしも本人が日本に渡航して手続きをする必要はなく納税管理人に依頼して代行してもらうことが可能だ。賃借人が法人の場合は賃借人側で源泉徴収の義務が生じ、その場合は賃貸料の20.42%(所得税20%、復興特別所得税0.42%)を賃借人側で納付することになっている。※賃借人が個人の場合は源泉徴収の必要はなし

確定申告の際に源泉徴収部分とその他の国内で発生した所得を調整するのである。住民税はその年度の1月1日に日本に住所がない場合は支払う必要はない。また国内に恒久的施設(PE)、つまり事務所などがなければ事業税も免税である。ちなみに非居住者所有の不動産でも固定資産税は支払い義務が生じる、これも所得税と同様に納税管理人を専任して納税を代行してもらうことが可能だ。

また非居住者が日本国内に保有している不動産を売却するときは「(3) 国内にある土地、土地の上に存する権利、建物及び建物の附属設備又は構築物の譲渡による対価」にあたるのでやはり日本で所得税を支払う必要がある。居住者が支払う不動産譲渡所得税は分離課税で他の所得とは分けて計算して支払う。保有期間5年以下の場合は39.63%(所得税:30.63%+住民税:9%)、保有期間5年以上の場合は20.315%(所得税:15.315%+住民税:5%)だが、これもその年度の1月1日に日本に居住していなかった非居住者は住民税の部分は支払う必要はない。

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