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「ATMカードが使えない」

HSBC香港のアフターサポートに関する問い合わせでトップクラスに多いケースである。セブン銀行など日本のATMでHSBC香港のカードを使って出金しようとしたら何故かわからないが上手くゆかなかったということだ。利用者にとってはひとつのシンプルな不都合だが、その背景には実に様々な種類の要因が潜んでおり解決方法もまったく異なる。意外に厄介なことなのだ。

HSBC香港ATMカードのアクティベーション

HSBC香港口座を開設するともらえる真新しいATMカード。それを一度ATMマシンに入れて、同時に発行されたATM PINを入力する。そして残高照会とか出金など何らかの操作をする。これが「アクティベーション(Activation)」という作業で、この過程を通してATMカードははじめて利用可能になる。アクティベーションを行わずに数ヶ月放置するとそのカードは無効になってしまう。通常口座開設サポートを受けて口座を作る場合はこのアクティべーションまで完了しているはずだ。これで香港域内のATMでの入出金などの手続きができるようになる。

海外出金限度額の設定

しかし海外のATMで出金をするためにはもうひとつ別の手続きをしなければならない。「海外での出金限度額(Overseas Withdrawal Limit)」の設定である。海外出金限度額はデフォルトでゼロに設定されているので放っておくと海外のATMで出金はできない。海外出金限度額はセキュリティデバイスを使ってインターネットバンキングで設定する。これら一連の作業を完了してはじめて日本で出金することができるのだ。それほど難しい操作ではないし、口座開設サービスを受けていれば通常ここまでの手続きはサポートしてもらえるはずだ。

HSBC香港ATMカードの更新時に必要な手続き

つまりそのまま使っていればATM PINを忘れたりしない限り問題はないはず。だが数年経つと冒頭のようにATMカードが使えないトラブルに直面する人が必ず増えてくる。その主な原因はカードの再発行時の手続き不足である。カードを紛失した、口座をダウングレード(アップグレード)した、あるいは銀行の方でカードの仕様を変更して勝手に新しいものが送られてくる、などの理由でATMカードが再発行されることがある。ここでの手続き不足でその後ATMカードが使えないというケースが非常に多い。

カード再発行時の重要な手続きは2つある。一つ目はカードが送られてきたときに受取確認のレターが同封されているケース。その場合はレターの署名欄にHSBC香港に登録済みのサインを記入して所定の住所に返送するという作業が必要だ。二つ目は届いたカードをATMで使ってみること、つまり新カードのアクティベーションである。ここまで行ってきちんと出金できることを確認できていれば問題はない。

しかしどちらかの手続きが欠けてしまうとカードが使えない状態になる。そしてその状態で放置しておくと数ヶ月後にはカード自体が無効になってしまう。。一旦無効になってしまったら、あとで受取確認のレターに気づいて郵送してもダメだし、ATMでのアクティベーションもできなくなる。そこでまたカード再発行の手続きをする人もいるかもしれないが実はそれは意味がない。仮にそうしても新しいカードは届くもののその前のカードが無効なので同じATM PINが引き継がれておらずやはり使えないからだ。そこまで行ってしまったらどうすれば良いか?

答えは新しいATMカードとATM PINを同時に発行申請することだ。ただカスタマーサービスに電話して事情を話し、解決方法を聞き出してここまでの手続きを自分でやれる人はごく限られるだろう。ほとんどの人は何が原因か、どうやったら解決できるかがまったくわからず闇の中を歩いているようになるはずだ。特に最近ではこうした手続きを行う度にHSBCから電話がかかって来て本人確認を求められたりする。

昨今高度化する犯罪に対応するためのセキュリティ強化の一環だが利用者にとって問題解決までのハードルが上がっているのは確かだ。

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