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自分がいまだに保有しているもっとも古い海外銀行口座は1995年に上海で開設した中国銀行の口座。前職での上海駐在員時代に給与の振込先口座として利用していた。

1990年代の投資活動

ちなみに人生ではじめての海外口座は1991年オーストラリアのWestpacに開設したものだが、翌年オーストラリアから日本に帰国するときに閉鎖している。中国銀行では人民元の他に外貨でも預金ができるようになっており、米ドルで受け取っていた給料の入金をその外貨口座で受けていた。当時は会社借り上げの社宅に住んでいたので家賃負担などもなく、中国の物価も非常に安かったので貯まった米ドルを定期預金にしたり日本出張のときに現金で持ち帰って日本の銀行(シティバンク銀行)に預け入れたり、日本の証券会社で株や投資信託を買っていた。

ピーピーガーガーとダイヤルアップ接続でインターネットにつないで生まれたばかりのネット証券で株取引をはじめたのは1998年。しかしその頃、まだこうした海外の口座は日本居住者には利用できないものだった。日本に住んでいる日本人が海外に銀行口座や証券口座を持てるようになったのは1998年4月の外国為替及び外国貿易管理法(外為法)改正以後である。すなわち日本から香港に渡航してHSBC香港口座を開設するということが法的にできるようになった起源はここになる。

それから数年を経て海外金融機関の口座開設が一般に広まったのは「ゴミ投資家シリーズ」という海外投資に関する書籍を出版していた海外投資を楽しむ会やそのメンバーである作家の橘玲氏の影響が大きかったと思う。僕自身も当時会員になって情報収集し香港の証券会社の口座や英国オフショアの銀行口座などを開設したものである。

HSBC香港口座開設と2000年代の投資活動

上海から香港に転勤になり香港での給与を受け取るためにHSBC香港の口座を開設したのは2002年のこと。ちょうどその頃に読んだ印象深い本が3冊ある。

大事なお金は香港で活かせは自分がはじめて目にしたHSBC香港の活用本だ。

初版が2002年なのでちょうど自分も口座開設をした直後である。著者の渡辺賢一さんが友人の元上司で一緒に会った時に上梓したばかりのこの本をいただいたのだ。

マネーロンダリング (幻冬舎文庫)は前出の橘玲さんの小説。

作品中随所に出てくる当時の金融テクニックには自分にとって新鮮で、感銘を受けたページに折り目を付けて何度も読み返した。2003年が初版のこの小説の中にHSBC香港の口座開設サポートを受けに来る夫婦のエピソードが載っているのでその頃にはすでに日本人の間でもHSBC香港口座開設はメジャーになりつつあったのだろう。

お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方 知的人生設計入門も橘さんの著作。

投資パフォーマンスの良し悪しだけでなく、居住地の選択なども含めてトータルの成果が重要であるという現在の資産運用に対する考え方の骨格が形成されたのはこの書籍の影響である。HSBC香港口座開設直後から投資口座を通じてファンドを購入した。

中国株式ファンド
インド株式ファンド
BRICS株式ファンド
日本を除くアジア株式ファンド

といったものが主だったがこの頃の新興国株式ファンドはとにかくよく上がった。2007年頃までのわずか数年の間に200%〜300%上昇したがリーマンショックで含み益は雲散霧消、しかし2009年にはV字回復し50〜100%のプラスぐらいまで戻ったところでやれやれと利確した。

失敗も経験

一方、このとき一世一代の痛恨ミスも犯している。香港の不動産だ。

2003年、SARS(重症急性呼吸器症候群)という致死性の病気が大流行した時に香港の不動産価格が底値に達した。香港の大手不動産会社Midland Propertyの香港不動産価格チャートによるとHKD2,300〜2,400/sqfだった。当時、香港に新築マンションを買おうという妻の提案大げんかの末に却下したのだ。現在の価格はHKD12,500/sqf前後である。

そして現在、賃貸価格世界一と言われる香港で何の変哲もない部屋に東京都心のタワマンに匹敵する家賃を払って住んでいる、という事態を引き起こした。当時は再び香港に戻って起業することを想定していなかったというのが言い訳であるが、人生何が起こるかわからず、常に知識を蓄積し、機運に乗じて大胆に動くことの重要性を思い知らされた出来事となった。

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2011年の発行開始以来毎週配信されているBorderless Group代表玉利将彦のメールマガジン

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