2018年2月13日から19日まで約一週間タイとカンボジアを回ってきた。目的はインドシナ半島の主要都市を経由する建設中の横断道路「南部経済回廊」沿線の土地投資とタイのパタヤ・プーケット、そしてカンボジアのシアヌークビルに展開するリゾートホテルの投資案件を視察・見聞である。

中国のお正月である春節(2018年2月16日)を挟んでいたので各地はちょうど観光客でごった返していた。パタヤはバンコクの東南約160kmの場所に位置するビーチリゾートだ。バンコクのスワンナプーム空港からは車で約1時間半で到達できるのでバンコクとパタヤを一緒に観光する外国人旅行客は多い。

かつて小さな漁村だったパタヤ。1950年代からバンコクの富裕層が徐々に避暑に訪れるようになったのが観光地としてのはじまりだった。その後同じインドシナ半島のベトナムで戦争が勃発したときに米兵の保養地として世界有数のリゾートの地位を確立する。

パタヤの人口は約10万人。チョンブリー県という自治体の中にあるが1978年にはパタヤ特別市となりタイ国内務省直轄の特別自治体となっている。タイ国内の特別市は他に人口825万人のバンコク特別市だけだ。この不可解ともいえる扱いの答えはパタヤが年間900万人を超える客を迎える観光地のモンスターだからだ。

実にタイを訪れる年間2,700万人観光客の3分の1、人口:観光客数は1:90。パタヤ特別市の経済規模は1,800億バーツ(約6,120億円※)※THB1=JPY3.4(2018年2月時点レート)パタヤはナイトスポットでかなり有名だが、実際現地を歩いてみるとマリンスポーツや高級ホテルでゆっくり過ごす設備が充実していて実際に家族連れや女性同士のグループもまんべんなく集客できているのが伺える。そうでなければこれほどの数字は叩き出せまい。

今回タイ・カンボジアを訪れたのはこのパタヤを本拠地としてアジア各地にリゾート展開をするニュー・ノルディック・グループ(NNG)が提供する投資物件を吟味するためだ。パタヤから車で40分ほどのところにあるウタパオ空港から空路プーケットに入る。

タイ南部、アンダマン海に浮かぶ国内最大の島。ネット検索で「リゾート ランキング」などと検索すると必ずと言って良いほど入ってくるのがこのプーケットである。ブーケットの玄関口に当たるプーケット国際空港は島の北部にある。かつては日本からの直行便もあったが、現在は日本からプーケットへ行くときにはほとんどバンコクか香港経由の乗り継ぎとなる。アンダマン海に面した島の西側に観光客が集まるビーチが連なっている。

最も有名で多くの観光客が訪れるのは島の真ん中より若干南寄りの場所にあるパトンビーチで多くのカフェやバー、レストランが軒を並べる繁華街となっている。NNGはパトンビーチに稼働中のホテルがあるが、現在空港とパトンビーチの空間にある閑静なバンタオビーチにリゾートホテルの建設を計画中で、こちらが現在投資可能な案件となる。

プーケットに一泊して翌早朝のフライトでバンコクへ、すぐさま乗り継ぎでカンボジアのプノンペンに飛ぶ。このカンボジア首都の人口は約220万人、バンコクやホーチミンに較べると非常にこじんまりとした印象だ。が、カジノが目立つ。カンボジアはカジノが合法であり、カジノが禁止されているタイ、内国人のカジノ入場が制限されているベトナムから多くのギャンブラーを惹きつけている。

マカオに飽きたらずここまで足を延ばす中国人の客も多い。一方でイオンモールや東横インという日本人に馴染みの施設も目にすることができる。市内のいたる所でビルの建設が進んでおり、10数年前の上海とふと風景が重なるような感覚を覚えた。

翌朝、プノンペン空港からプロペラ機でカンボジアのビーチリゾートであるシアヌークビルへ向かう、飛行時間は約40分。インドシナ半島のほとんどの海岸線はベトナムとタイに占められているのでカンボジアが海に面してる部分はごく短い。しかし、

見事な白砂のビーチが連なっており手入れが行き届けばかなり良質なリゾートになることが容易に想像できた。実は個人的にこのシアヌークビルという観光地は今回はじめて耳にした。多くの日本人にも馴染みが薄いのではないかと思う。だが行ってみると欧米人と中国人の観光客で満杯状態だった。実際まだ開発中という雰囲気でホテルなども多くが建設途中、道路も未舗装の状態にもかかわらずまさに人でごった返していた。

中国の旧正月休みに当たっていたという要素もあるが自分では最近まで名前も聴いたことのないリゾートにこれほど訪問客がいることを知らなかったのは反省要素である。NNGはこのシアヌークビルにホテルを建設中であり、こちも参加可能な投資案件である。シアヌークビルで一泊後、今度は車でプノンペンへ。高速道路はなく片側一車線の一般道。対向車の切れ目を狙って反対車線から追い抜きをかけながら4時間かけてプノンペン空港に戻った。

やはり10数年前に上海から江蘇省や浙江省に車で向かったときの既視感が蘇る。同じような走り方で同じような時間がかかったものだ。今そこには高速道路や高速鉄道が整備され移動にかかる時間は3分の1程度になった。”いずれここもそうなる”と、腹に落ちるような思いでカンボジアを後にした。

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